シンスプリント/しんすぷりんと

概要:シンスプリントとは

 Shin(シン)=脛、すね、「弁慶の泣きどころ」ともいいます。シンスプリントは古典的な病名であり、幅広い解釈があって内容が一定でありません。過労性(脛骨)骨膜炎、過労性脛部痛、脛骨内側症候群などとも呼ばれています。

 

そのため本稿では、疲労骨折やコンパートメント症候群を除外した、骨膜あるいは筋腱の炎症に起因する障害に限定して述べます。


原因

衝撃で壊れるものと、筋肉が引き伸ばされて痛むものと、足首が捻じられて痛むものがあります。

 

 オーバーユース症の1つであり、繰り返しのランニングやジャンプを過度に行った場合に発症しやすい障害です。

過度の運動量、運動時間、運動内容、日数またはフォームの変更、硬い路面、薄く硬いシューズ(踵の摩耗)、下肢のアライメント異常(O脚、回内足、扁平足などミクリッツラインの狂い)、ふくらはぎの筋肉の硬さ、股・膝・足関節の柔軟性低下、足関節可動制限、フライの高さ、シューズのドロップ角度などが発生の誘因となります。


 シンスプリントや、足底筋膜炎(足底腱膜炎)を起こしているランナーのランを診ると、正常な足の煽り運動が行えておらず、足首の倒れ込みが起きている場合がほとんどです。

 

 

 

 

足首が倒れ込むと内スネの骨から足首を超え、足の骨に着く筋肉群は無理に引き伸ばされ(微細損傷)てしまいます。

 

症状がひどくなると骨膜炎を起こし、スネの内側の痛みを発生させます。

病態は下腿内側筋群の疲労による柔軟性低下、特にヒラメ筋を主として後脛骨筋、長趾屈筋付着部が脛骨の表面を覆う骨膜を牽引して微細損傷(骨膜炎)をおこし、下腿内側の痛みを発生させます。



足首が運動力学的に正しい動きを行えておらず、周囲の筋肉や腱が引き伸ばされて壊れ、炎症を起こすため痛みます。 


どんな痛み?(症状)

 ランナーの発生頻度が高く、その20~50%に発生すると言われています。

徐々に発生する内くるぶしより12~20cm上を押すと痛みます。

 

運動時痛、腫張が主症状で、背伸びをする運動で痛みは増強します。

 

 症状の程度は、次の通りです。

 

Stage1:痛みはあるがウォームアップにより消失する

Stage2:ウォームアップにより痛みが消失するが、スポーツ活動終了近くに痛む

Stage3:日常活動に支障はないがスポーツ活動中、常に痛む 

Stage4:局所の痛みは常に存在して日常生活にも支障がある 


検査診断

骨膜の炎症であるので、レントゲンでは変化がないのが一般的です。症状が続く場合は再検査も必要です。この場合、のちに骨変化が出てきたら疲労骨折と診断を変更します。ただし、MRI画像にて脛骨の骨膜に肥厚した高信号変化(白色)が見られる場合があります。

 内スネに痛みがある場合、レントゲンやMRIに異常がある、ないにかかわらず、実際に走ってみると正常ではない動き(ニーイン・トゥーアウト足首の倒れ込み)が観察されることがほとんどです。

 



痛みが出現する動作の確認

 

 痛みが起きる動作がないか確認し、なぜ?その動きが出ているかを分析し、フォームや用具に問題がないかチェックします。

 

 痛みを引き起こす動きが必ずあるのがシンスプリントの痛みです。


早期の復帰のために

●シューズの点検・交換

  痛みを抱えてくる人の多くがが、シューズにも問題を抱えています。まずはそこから見なおしましょう。

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●シューズのセット位置の点検・見直し

 痛みを抱えてくる人の多くが、シューズのセット位置にも問題を抱えています。セット位置を見なおしましょう。

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●接地の位置を見直しましょう。

ランニングで起きたシンスプリントは、足の裏全体で着いていないか?(土踏まずは地面に着けない)、踵の尖った所から落としていないか?接地位置を見なおしましょう。

 

 


治療

 運動量など、考えられる上記の原因を制限します。急性期は局所の安静(ランニングの休止)、アイシング(アイスマッサージも)、消炎鎮痛剤を用います。形態補正には足底板を用います。


ポイント

 脛に痛みを訴える選手がいたら、最近急激に運動量を増加してないかチェックすること。リハビリに際しては十分な治療期間を待たずに早期復帰することや、急激な運動量増加は再発を招きますので注意しましょう。練習前はもとより特に練習後に入念なストレッチングを行い、その日の疲労を残さないようケアを徹底しましょう。


リハビリテーション

〈参考記事〉シンスプリントのリハビリテーション